
導入の背景
- 井戸水を生産用水に利用したい
- 特殊排水の処理方法を提案してほしい
- 環境負荷低減に寄与する提案をしてほしい
カジレーネ株式会社様は、国内のみならず海外にも誇る「織」の技術を通じて、合成長繊維織物の「価値」を拡げています。
同社は、繊維を通じて地元・石川のみならず、日本の繊維産業を元気にするという大義のもと、日本最大級の産業観光施設となる新工場『KAJI FACTORY PARK』を立ち上げました。
世界基準のサプライチェーンを目指す上で、環境への配慮は不可欠であり、特に「織」に欠かせない「水」への意識は非常に高いものでした。
なかでも、糸を織る際のサイジング工程で排出される糊(のり)を含んだ排水については、その適切な処理を提案してくれるパートナーを求めていました。
提案内容


- 井水処理設備の導入
- テストに基づく適切な提案
生産用水としては、水道水よりもエネルギー消費が少なく、地域資源を有効活用できる井戸水の利用を選定しました。しかし、糸を織る工程では高い水質が求められるため、除鉄・除マンガン処理に加え、RO膜(逆浸透膜)を組み込んだ井水処理設備を提案しました。
また、サイジング工程から排出される排水については、環境薬剤部と連携しながら処理テストを重ね、接触ろ材「サンブレオ」を用いた好気処理方式を提案しました。


成果・導入効果
- 安定した生産用水の確保
- 無駄のない排水処理設備の実現
- 排水処理水を用いた回収設備の検討へ
これらの取り組みにより、地域資源を有効に活用しつつ、従来の水道水利用に比べてエネルギー消費を大幅に削減することができました。さらに、RO膜を用いた高度な井水処理によって、織工程で求められる高い水質基準を安定的に満たすことが可能となり、製品品質の向上にも寄与しています。
また、排水処理には接触ろ材「サンブレオ」を用いた好気処理方式を導入し、環境負荷の低減に加え、処理効率の向上と維持管理の省力化を実現しました。これにより、環境への配慮と生産効率の両立を図る、持続可能な生産体制の構築に貢献しています。
現在は、さらなる環境負荷の低減を目指し、排水処理水の回収・再利用に向けた設備の導入を検討・提案しています。

