ある繊維メーカーでは、製造工程で発生する廃液が少量にもかかわらず、その成分が高濃度であることから、適切な処理が不可欠となっていました。
特に、処理が不十分な場合には設備トラブルや環境への影響につながるおそれがありました。
さらに、地域レベルでの環境保全に加え、近年ではグローバルな視点での環境配慮への要求が高まっており、同社は「水」に対してどのように向き合い、持続可能な方法で管理・活用していくかという課題に積極的に取り組んでいました。
化学・素材・機械 Chemicals / Materials / Machinery

複雑な排水への対応と
環境配慮、
安定生産を
両立するアプローチ
化学・素材・機械分野では、排水に含まれる成分が多岐にわたるうえ、
製造品目や時期によって水質が変動するという特徴があります。
加えて、世界的な環境配慮への対応が求められる中、
安定した生産の維持も重要な課題です。
そのため、最適な設備の提案と、高度な処理水質の確保が不可欠となっています。
課題

解決策
ドリコのエンジニアリングチームは、段階的な調査とテストを通じて、少量の高濃度廃液に対応する最適な処理ソリューションを提案しました。
まず、廃液を「少量の高濃度廃液」と「その他の多量の排水」に分離し、後者を好気性処理方式「サンブレオ」で処理する工程において、高濃度廃液を一定の割合で添加することで、安定した処理が可能であることを確認しました。
この手法により、処理負荷を分散させつつ高い処理性能を維持することが可能となりました。
環境配慮への対応として、生産工程で使用する井戸水の適切な処理と活用を提案、水資源の有効利用の構築を支援しました。
さらに、排水の回収・再利用を含む循環型プロセスも検討を進めており、持続可能な水管理体制の構築を目指しています。

成果
これらの取り組みにより、環境負荷の低減に加え、処理効率の向上と維持管理の省力化を実現しました。
また、地域資源を有効に活用しつつ、従来の水道水利用と比較してエネルギー消費を大幅に削減。加えて、RO膜を用いた高度な井水処理により、生産に必要な高い水質基準を安定して満たすことが可能となり、製品品質の向上にも貢献しています。
現在は、さらなる環境負荷の低減を目指し、排水処理水の回収・再利用に向けた設備導入を検討・提案しています。
